五島移住エンジニアの日々

2024年夏、五島に移住します!移住に関する情報や、エンジニアとしてのアウトプットなど中心に書いていきます!

なぜ移住を決断したか

私は30歳で移住を考え始めました。

移住先の五島列島、もとい長崎県は特に親戚なども居らず縁もゆかりも無いのですが、どのようなことを思って移住を考えたか、記録も兼ねて整理したいと思います。



五島の魅力に魅了された

一番はなんと言ってもこれですね。

ただ、正直自分は訪れるまで全く五島については知りませんでした…

新婚旅行で九州を回ったのですが、妻が『ばらかもん』好きで、「せっかく長崎行くなら五島列島行きたい!」と。

私としても島へ行くのは小学生以来で興味があったので、新婚旅行プランの中に組み込みました。

もう営業終了してしまったのですが、Nordisk Villageという場所がありまして。
そこは廃校になった学校の校庭を利用してグランピングができるという施設でした。

Nordisk Village

そこでは都会の喧騒は一切なく、ゆったりとした時間が流れていました。
バーベキューなどを楽しみテントの中で就寝。
カエルや虫の鳴き声を聞きながら寝て、心が洗われる感覚を味わいました。

五島(福江島)には景色が良いところはたくさんあるのですが、その中でも私が最も忘れられない景色が「高浜海水浴場」です。

高浜海水浴場

きれいな海、砂、山、そして松の木。
ほとんど人もおらず、景色だけで感動したのは初めての経験でした。

主にバスツアーで五島を一周し、初回の五島は1泊2日のスケジュール。
このときはまだ「いいところだったなぁ」と思ったくらいで、移住したいなどは特に考えていませんでした。

 

仕事の停滞感

前に所属していた会社は新卒入社で8年ほど勤めていました。

SESの業態なので、組込み→アプリ→Webと色々案件を渡り歩いてきました。

Web案件に移ってからコロナ禍になり、リモートワーク主体になりました。

その頃、ありがたいことにPLなどの責任あるポジションも任せていただけることになりました。

ただ、仕事自体は長く継続している案件で大きな変化も無く、気づけば4年程が経っていました。

PLとしても同じ案件での経験値しか無く、スキルマップも長らく更新が無い。

自発的に勉強しないといけないことはわかってはいるのですが、どうしても環境の変化が無いと頑張れないタイプで、なかなかそれを変えることができずにいました。

正直転職は今まで何度も頭をよぎりましたが、仕事量や給与面では特に不満は無かったので、決め手にかけていました。

(社会人としての姿勢は度外視で、仕事よりプライベート、生活に困らない程度の収入という考えが根本的にはあります。)

とにかく、今の仕事に不満はないものの環境の変化の無さに「このままで良いのか?」という思いは抱き続けていました。

結婚と家の契約更新

自分は同棲から2年を経て結婚しました。

同棲する場所はお互いの職場に通いやすいという条件で探しました。

結婚して式も終え、次は家だ子供だとなると、どこに居を構えるか問題が発生します。

その意味では奥さんの実家の近くを考えていました。

子育て面を考えると奥さんのお母様が近くにいた方が、色々と安心できると思っていたからです。

ただここで一つ問題が。

奥さんの職場が実家と近すぎたのです。

職場が近いというのは、メリットもあればデメリットもありますよね…

そもそも奥さんは今の職場を変えたいと考えていたこともあり、その意味では「奥さんの実家の近く」というのも良案とは言えない状況でした。

そして、今の賃貸の更新が2024年夏に迫っていました。

どこに腰を据えるか決める必要があったのです。

移住という選択肢を知る

新婚旅行から帰ってきてからというもの、妻が「五島に帰りたい」とよく言うようになりまして(笑)

最初は移住なんて現実的ではないと思っていたので「まぁいいとこだったよね〜」くらいで正直流してたんですが、旅行から帰って仕事が再開し現実に戻されてからというもの、私自身も五島に想いを馳せるようになってしまいました。

何となく五島について検索すると、移住促進サイト「ごとうやけんよか!」にたどり着きました。

www.city.goto.nagasaki.jp

移住か…そういやZIP!とかでずんの飯尾さんがコーナーやってたりちょくちょく聞くな。老後に移住とかはありかもな…

そんなことを考えているうちに、そういえば住む場所決めあぐねていることを思い出しました。

そこから、実際にやるにしろ、やらないにしろ、一度現実的に考えてみてみようと思い立ち、移住について調べることに。

相談会やセミナーなどが積極的に開催されていたので、そこに足を運んで話をしたり聞いたりし始めました。

現実的に移住を考える

セミナーに参加する中で移住の実態や支援制度などがある事を知り、どんどん前向きに検討するようになっていきました。

そして2回目の五島旅行。今度は観光ではなく生活圏を巡って住んだときのシミュレーションをすることにしました。

福江島にはスーパーコンビニドラッグストアなど、生活に必要なものは揃っていました。無くてちょっと困りそうなのはチェーン店の靴屋と服屋くらいで、昨年には業務スーパー家電量販店もできたそうです。

そもそもAmazonが2日ほどで離島料金かからずに届くとのこと。なら生活に支障はめったに生じることはないでしょう。

大きな病院、幼稚園、小学校〜高校、そして空港といったインフラも充実してます。

光回線5Gも通っており、リモートワークやオンラインゲームにも支障はなさそう。

そういった具体的なところを見ても、移住というのはそう無茶な話ではないと考えるようになりました。

そして島民の温かさ。

民宿のおっちゃんや移住相談員の方、島で会う人は皆穏やかで話しやすいです。

その他にも子もちのお母さんがしっかりと子供の目線で話している姿、最近東京ではあまり見かけない気がしますが、そういった細かい所作などからも島民の方の温かい雰囲気を感じました。

デメリットに自分なりの回答を用意する

移住というのは当然良い面だけではないとは思います。

移住に限った話ではないですが、物事には必ずメリットとデメリット、裏と表が存在します。

こういった大きなことをやろうとすると、自分自身も、親や他人も、悪いところを挙げてしまいがちです。(心配から来るものだというのは理解していますが)

大人になるにつれてより実感していきましたが、結局物事には絶対的な正解などは無く、自分の意志で判断してそれを後悔しないことが重要ですよね。

悪いことだけ考えてたらいいことも見えない、かと言って楽観的すぎても危険。

そう思っているので、移住についてメリット・デメリットを挙げていき、マイナス要素に感じられることについては解決策や自分なりの回答(反論)を持とうと思いました。

一部重複しますが、まとめとして書き出したいと思います。

良い点

  • 景色の良い場所に住める
  • 広いマイホームが手に入る環境
  • 自然が多くて空気がきれい
  • のびのび子育てができる
  • 転職して環境を変えられる
  • 人混みを避けられる

悪い点

悪い点 解決策・反論・回答
東京から遠い
  • うまく乗り継げば半日で移動できる
親族がいない
  • 頼れる人を作るように努力する
お金がかかる
  • 土地や賃貸は明らかに安い
    • 東京では考えられない価格で一軒家が建てられるので長い目で考えると安い
  • 引っ越しなどに助成金が出る
車社会
  • 運転は苦ではないし人混みより遥かにマシ
  • 島全体がコンパクトなのでスーパーに1時間かかるというようなこともない
不便そう
  • 店舗やインフラはほぼ揃っている
    • スーパー、マツキヨ、ローソン、A-プライス(業スー)、ダイソー、ジョイフル(ファミレス)、etc...
    • 病院、空港、学校(高校まで)
    • 5G、光回線上水道
      • ガスはプロパン、下水は浄化槽だが個人的には問題に感じない
    • バス、タクシー、レンタカー
  • 靴や服は長崎本島や東京に帰省した際や通販で仕入れる
  • Amazonが(物によるが)離島料金なしで最短2日 
仕事がなさそう
  • フルリモート可の職場に転職できた
    • 最悪次の仕事がうまく行かなくてもフリーランスが選択肢としてあるしなんならITにそこまで執着はない
  • 妻は介護系なので高齢化の進む田舎ではむしろ引く手数多
転職によって社内のキャリアや人間関係が途絶える
  • もともと職場の中で部署間を転々としていたので抵抗なし
  • 管理職や上のポジションは求められたらやるという考えなので目指しているわけではない

島に友達がいない

友達と離れる

  • コロナ禍で会えない期間もあったがゲームのボイスチャットやLINE通話などで繋がれていた
  • 旅行感覚で来てもらえる
  • 島の人たちは良い人だし移住者も多いので友達が作れそう
推し活・オタ活できない
  • 唯一現場に行くμ'sはライブをやることが残念ながら今後はほぼない
  • グッズは通販で現状でもほとんど事足りている
給与水準が低い
  • 自分の職種ならフルリモートで東京の会社で働きながら移住できる
台風すごそう
  • 近くを通過はするが上陸はあまりしない模様
  • 物流が止まってもマツキヨやコンビニがあるので予め備えることができる
  • 東京ではほとんど経験ないので人生の経験値が上がる
サウナ行けなくなる
  • 一応あるにはある(いずれも未訪問)
  • 自宅にテントサウナを導入する
子育てで親に頼れない
  • フルリモートかつ裁量労働制なので子供を見る時間は作れる
  • そもそも親に頼る前提にしない

こんなところでしょうか。

  • ネットワークや移動手段などが充実した時代、更にコロナ禍を経て場所にとらわれなくても生きられるという実感があったことと
  • 実際に大阪に引っ越した友人がいて、かつ関係性があまり変わらずに今でも続いていること
  • 都市部に限定される趣味や、仕事や金への執着が無いこと

すべてにこのあたりの経験・考えが根底にあり決断できたように思います。

また、実家が東京にあるので最悪戻って来られる安心があるというのも実は大きいのかもしれません。

最後に

このようなことを考えて、今移住に向けて動いています。

3月にはフルリモートの会社で新たに働き始めます。

住まいに関しては市が用意してくれる短期滞在住宅という仮住まいは抑えてあるので、あとは賃貸を見つけるのと、引越し準備を進めていきます。

 

また、今のところ自分たちに対するメリットがあるだけで、あまり五島に還元ができていないと感じることも引っかかっています。
(仕事はリモートワークですし家も空き家ではなく新築を考えているので…)

とりあえず最初は地元のものをたくさん購入することで還元していき、何か自分でもできる活動があれば積極的に参加したいなと思っています!

 

これからどうなるか分かりませんが、久しぶりにみつけた「やりたいこと」なので、後悔しないように全力で取り組んでいきたいと思います!!

これからも移住に関する情報があったら発信していければと思っています!

もし実際に移住した先輩方の思う反論やアドバイスがあったらコメントいただけると嬉しいです!

ではまた!